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【腹式呼吸が正解?】体がラクにならないあなたに伝えたい、“本当に合う呼吸”の見つけ方

  • 執筆者の写真: xmiwa0923
    xmiwa0923
  • 5月21日
  • 読了時間: 7分

「体には腹式呼吸がいいのよね。リラックス効果もあるし」


70代の女性が胡座座でお腹と胸に手を当てて呼吸を感じている

あなたもそう感じてはいませんか?


確かに、腹式呼吸は自律神経を整えたり、リラックスを促す効果があると言われています。


けれど実は、それが“すべての人”にとっての正解とは限らないのです。


大切なのは、「どちらが正しいか」ではなく、

“今のあなたの体にあっているかどうか”。



先日お越しくださった70代の女性は、長年「腹式呼吸が正解」と信じて実践してこられた方でした。


でも整体の施術中、肋骨の横側を広げる胸式呼吸を一緒に試してみたところ–––––––


「こんな横に広がった感覚、初めてです」「これ、気持ちいいですね」と驚かれ、


整体中に呼吸法を伝えている

翌朝には「“肺の下側と後ろ側を膨らます”なんて初めてのことでした。昨日から意識しています。」とうれしいご報告もありました。


情報や一般論だけではなく、“体の声に耳を傾けてみること”。


それが、体を整えるケアの第一歩になるのかもしれません。


整体しながら呼吸法を練習する女性二人

今回はこのエピソードを通して、

固定観念を少し手放してみると体がラクになる、そんなヒントをお届けします。



※今回の内容は、先日アップしたブログ「胸式呼吸と腹式呼吸、どちらが正解?」と重なる部分もありますが、


今回は整体の現場でのやりとりや、お客様のリアルな変化を通して、

呼吸が「知識」ではなく「体感」で変わっていく過程をお伝えしたいと思います。


「腹式呼吸が正解」と信じていた女性のひとこと

「腹式呼吸がいいってよく聞くし、ずっとそうやってきました」


70代の女性のお客様が、そんなふうに話してくださったとき、私はうなずきながらも、少し胸がキュッとなる思いがしました。


気持ちよ呼吸をしている女性」

手足のしびれや不調を抱えながら、さまざまな整体やマッサージに通ってこられたその方。

真面目に、ご自身で呼吸法や体操にも取り組んでこられたそうです。


でも、長年がんばってきたにもかかわらず、体はなかなかラクにはならなかった。


その現実に、「じゃあ何がたりなかったの?」と自分を責めてしまいそうになっていたのかもしれません。


私のところにいらっしゃったのは、「今までの方法では変わらなかったから、少しでも可能性があるなら.....」という思いからだったと思います。


整体で提案した“肋骨を広げる呼吸”

痛み が少し落ち着いてきたタイミングで、私はその方に「呼吸を使ったセルフケア」をご提案しました。


呼吸といっても、「ただ深く吸う・吐く」ではありません。

この日は、**肋骨の横側を広げるような呼吸(いわゆる胸式呼吸)**を、静かに丁寧に練習してみました。


呼吸で肋骨を広げたり閉じたりする女性

実はこの方、側湾症があり、背骨のカーブによる姿勢のゆがみがTシャツ越しの後ろ姿にも表れていました。


だからこそ、肋骨の横を広げる意識によって背中側が自然に広がり、呼吸が通って行く感覚が得られたのだと思います。




はじめはなかなか感覚がつかみにくい様子でしたが、風船を膨らませるイメージをしながら何度か一緒に繰り返すうちに––––––


「あっ、今少しここが広がった気がします」

「こんなふうに呼吸を意識したことはなかった」と、


ご本人の表情がぱっと明るくなったのが印象的でした。


肋骨を広げる呼吸法を練習する二人

「体のためにと腹式呼吸ばかりやってきたけれど、こんな場所も動くんですね」

と、ご自身の体に新しい感覚が芽生えた瞬間だったのだと思います。



側湾症に限らず、年齢とともにこのような背骨の変化に悩まれる方は少なくありませんが、

呼吸を使ったアプローチは、体の内側からやさしく働きかける手段にもなります。



翌朝のメッセージに現れた、からだと心の変化

翌朝、私はいつものように、その方に体調をうかがうメッセージを送りました。

すると返ってきたのは、うれしいご報告でした。


「昨夜はぐっすり眠れました。呼吸について改めて気づきがあり、思い出したら肺の後ろまで膨らませるように意識しています」


整体と呼吸のおかげでぐっすり眠れた様子の女性

ほんの短いやり取りの中にも、ご本人が「呼吸の変化を体で実感している」ことが伝わってきました。



単に“良い呼吸法を教わった”ではなく、「自分で体を感じながら、少しずつ整えていこう」という感覚が芽生えている。


そんな前向きなエネルギーを感じた瞬間でした。


こうして自分の呼吸に“気づけた”ことがきっとその方にとっての小さな成功体験になったのだと思います。



“良い呼吸”は情報ではなく“自分に合うか”で選ぶ


「腹式呼吸が正解だと思っていた」

その方の言葉は、とても素直で、そして多くの方に共通する感覚だと思います。


たしかに、呼吸に関する情報はたくさんあります。

「リラックスには腹式」「体幹には胸式」といった説明も、どれも正しい知識のひとつです。


でも実際には、自分が“腹式呼吸”だと思ってやっていたことが、実は胸式のようなやり方だったということもよくあります。


逆に、胸式だと思っているのに、実際は腹式に近かった...ということも。


腹式呼吸、胸式呼吸、どちらかというより自分にあった呼吸法を選ぶ女性

なぜそんなズレが起きるのかというと、多くの方は、動画や記事などの情報だけを頼りに、“自分の感覚”で取り組んでいるから何です。


もし目の前に先生がいて、その場で「今のはここが動いてますね」とフィーフォバッグしてもらえたら、早く気づけることもあります。


先生が生徒の呼吸をみている

でも、ひとりだと難しい。


情報で知っているここと、実際に“動かせているところ”が違っていることに、なかなか気づけない。


これはとても自然なことだと思います。


だからこそ、「どの呼吸が正しいか」を探すより、

「自分の体に合う呼吸を、少しずつ感じながら見つけていく」ことの方がよほど意味のあることなのです。


これは、整体でお伝えするセルフケアでも、ヨガのレッスンでも、私がずっと大切にしている視点です。



体がラクにならないとき、あえて“逆”を試してみる


その方は、体操指導に通っている高齢者施設の利用者さんでもあります。

側湾症があり、姿勢のゆがみや背中のこわばりが、日常生活の中でも気になるご様子でした。


ケアマネージャーさんからの報告書には、「ときどき体が痛くて、生きるのがつらく感じることもある。少し気の浮き沈みがみられる」

そんな言葉もありました。


もちろん、本当の気持ちはご本人にしかわかりません。

けれど、少なくとも整体の時間では、こんなふうに話してくださったのです。



「少しずつだけど、希望が持てるようになってきたの。

庭いじりもまたやってみたいなって思えるようになったし、


もし、体が痛くなっても、あなたに整えてもらえると思えば、大丈夫って思えるの」


体調がよくなり、「庭いじりもできそう」と希望を持つ女性

ご家族、特に息子さんにも「通ってみたら?」と背中を押されて来られたそうです。


私はこの言葉をきいたとき、じんと胸が熱くなりました。

整体や呼吸を通じて「もう一度、体を信じてみようかな」と思えるようになった。


何度かの整体の時間のなかで、その方にとっての**“自分を整える場所” “希望を感じられる場所”**になっていたのだと、後から気づかされました。


情報や一般的な正解ももちろん大切ですが、

それよりも、“今の自分の体に合うこと” “信頼できる誰かと一緒に見つけていくこと”。


それが、体と心の両方をやさしく整えていく第一歩になるのだと、あらためて感じた出来事でした。


まとめ:「正しい呼吸」より、“今のあなたに合う呼吸”を見つけよう

呼吸法は、「腹式がいい」「胸式がいい」といった情報があふれています。けれど、体のつくりや姿勢、年齢、そして今の体調によって、“合う呼吸”は本当に人それぞれです。


もしかしたら、自分に合うのは**「今までと違うやり方」や「あえて逆の方法」**かもしれません。


半信半疑でも、少し試してみることで、「あ、これ心地いいかも」と思える瞬間に出会えることがあります。



自分が信じていたことと違う話を聞いて驚く女性

今回お話しした内容は、専門的な見解ではなく、

私自身の現場での体験や感覚をもとに感じたことです。


同じように悩んでいる方に、少しでも参考になればと思い綴りました。



「良い」と言われている方法が、今の自分に合うとは限らない。

あまり良い方向への変化が感じられない。


そんなとき、少しだけやり方を変えてみると、

それまで気づかなかった場所がふわっと広がったり、心が軽くなったりすることがあります。


心や体が軽くなった様子の女性「

情報に正解を求めるのではなく、“今の自分のからだにあっているかどうか”。


その感覚を大切にして、自分の体のかすかな変化にそっと気づいていくことが、

あなたらしい呼吸、そしてケアにつながっていくはずです。


今回の体験が、どなたかへの小さな希望のきっかけになればうれしいです。


※本文中のエピソードは、個人が特定されないよう表現を調整しています



▼ご興味のある方へ

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